未消化小説 カザリとヨーコ BY 乙 一

母と姉のヨーコと一卵性双生児の妹カザリ。
ヨーコとカザリは外見は同じだったが
なぜか母親は妹のカザリしか可愛がらず
姉のヨーコを虐待してきた。
ご飯もロクに与えられないので、カザリが残飯を与えていた。

結果、ヨーコにとってカザリは天使のような神のような存在だった。


家での居場所は冷蔵庫の横に置かれた座布団の上に
猫のように丸まっていた。

ここまで読めば、ヨーコというのは実は
犬か猫の擬人化?と思うでしょう。
しかしながら人間として描かれています。

虐待ばかりされていたヨーコは
迷い犬のアソを探し、飼い主のスズキさんに渡した。
1人暮らしのスズキさんは、ヨーコにご馳走をしたり
親切にしてくれた。
自宅の鍵まで渡してくれた。

寂しい老婆の気持ちがわかります。
家族同然の愛犬との暮らし。
ヨーコを可愛がり、本や漫画を貸してくれた。
それを母に見つかり取り上げられてしまう。

スズキさんの家の鍵をコヨリとして本に挟んであったので
鍵を取りに母の部屋に入る。
そこにカザリが入ってきて、ノートPCに水をかけてしまう。
彼女はヨーコに罪をなすりつけようとして
部屋からヨーコの本を持ち出す。

心の拠り所であったスズキさんが急死してしまった。
「人は変われる」と言ったスズキさんの言葉。

カザリにママはあなたのした事はバレていると告げる。
怒られたくないカザリは、ヨーコの提案で
二人の服を取り替えて怒られる役を逃れる事にした。

先に帰宅したヨーコの服を着たカザリは
突き落とされて死んだ。
帰宅したヨーコは自殺したように偽装するために
母親に遺書を書かせられる。

保健所にやられてしまうかもしれないアソを連れ出し
ヨーコは家を出た。

ZOO Trailer (Horror movie)
https://www.youtube.com/watch?v=Kfxa66szasI


同じような服や靴を持っていると必ずどちらかを
贔屓してしまうものです。
ペットを2匹飼っているとどちらかの方が
余計に可愛いと思う事があるかもしれません。
しかしながら、我が子の場合、母親として
こういう気持ちになるものかどうか。
やりすぎ感もあり、誰にも感情移入ができない作品だと思います。

原宿の露店で購入したあんまん。

高杉。

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